鍋山の石灰
鍋山の石灰
昭和初期のガイド文
栃木駅の北13km、全山石灰石からなります。ここから産出される石灰は栃木県および東武鉄道葛生駅から発送されます。栃木から発送するものは主として足尾本山に送られ鉱毒沈澱用に使用されるほか、果樹消毒用として夏に東北地方のリンゴ生産地に仕向けられます。葛生駅からは東京、横浜などに送られます。栃木県は石灰産出高において全国中岐阜、山口2県に次ぎ第3位を占めていますが、そのすべてが鍋山産で年産額6万4,000トンにおよびます。
※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 鍋山の石灰
- かな
- なべやまのせっかい
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 栃木県栃木市鍋山町440
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
驛の北一三粁、全山石灰石より成る。これより製せらるゝ石灰は栃木縣及東武鐵道葛生驛より發送せらる。栃木よりするものは主として足尾本山に送られ鑛毒沈澱用に供せらるゝ外、果樹消毒用として夏季東北地方の林檎生產地に仕向けられる。葛生驛からは東京、橫濱などに送られる。栃木縣は石灰產出高に於て全國中岐阜、山口二縣に次ぎ第三位を占めて居るが、その凡べてが鍋山產で年產額六萬四千瓲に及ぶ。