富士山本宮浅間大社

淺閒神社[官幣大社]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

富士身延鉄道大宮町駅の西北約1km、大宮町桜ヶ丘にあり、境内は広く風致に富んでいます。延喜式所載の名神大社で木花咲耶姫命を祀り、古来駿河国一宮として名高く、はじめは富士山を神体として仰ぎ、社殿はなかったといいます。現存の社殿の様式は浅間社造で安土桃山時代の慶長年間(1596~1615年)の再建、楼門を入って正面に拝殿があり、拝殿の左右に同じ長さの袖を出し、拝殿に続いて幣殿があり、幣殿の後に本殿が高くそびえています。本殿は上下二層からなり、下層は五間四面四柱造、上層は三間二面流造、屋根は上下とも杮葺で、神社建築中で最も特殊な様式に属し、国宝に指定されています。

毎年5月5日の流鏑馬祭、7月7日の御田植祭および11月4日の例祭には参詣者が多く大いに賑わうといいます。

※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行
官幣大社浅間神社本殿

令和に見に行くなら

名称
富士山本宮浅間大社
かな
ふじさんほんぐうせんげんたいしゃ
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
静岡県富士宮市宮町1-1
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

富士身延鐵道大宮町驛の西北約一粁、大宮町櫻ケ丘にあり、境內廣く風致に富む。延喜式所載の名神大社で木花咲耶姬命を祀り、古來駿河國一宮として名高く、はじめは富嶽を神體として仰ぎ、社殿はなかつたと云ふ。現存の社殿の樣式は淺閒社造で慶長年閒の再建、樓門を入りて正面に拜殿あり、拜殿の左右に同じ長さの袖を出し、拜殿につゞいて幣殿があり、幣殿の後に本殿が高くそびえて居る。本殿は上下二層より成り、下層は五閒四面四柱造、上層は三閒二面流造、屋根は上下とも杮葺で、神社建築中最特殊なる樣式に屬し、國寶に指定されて居る。

每年五月五日の流鏑馬祭、七月七日の御田植祭及十一月四日の例祭には參詣者多く大に賑ふと云ふ。

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