弘明寺

弘明寺[眞言宗]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

省線電車桜木町駅の西南約5km、弘明寺町の丘上にあり、電車の便があります。現在の本堂は江戸時代の再建ですが、本尊の木造十一面観音立像[国宝]は高さ1.8m、鉈彫と呼ばれる変わった彫り方で、木彫の丸彫にのみ見られる手法です。これは丸ノミを横に使ってそのノミの痕を筋目正しく表現したもので、冴え切った技巧がうかがわれます。この像は藤原時代初期の作で、日本の彫刻史上、造像法の研究に有益な資料となっています。

※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行

令和に見に行くなら

名称
弘明寺
かな
ぐみょうじ
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
神奈川県横浜市南区弘明寺町字山下267
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

省線電車櫻木町驛の西南約五粁、弘明寺町の丘上にあり、電車の便がある。今の本堂は江戶時代の再建であるが、本尊木造十一面觀音立像[國寶]は高さ一米八(六尺)鉈彫と稱する異樣な彫法で、木彫の丸彫にのみ見られる手法である。これは圓鑿を橫に使つてその鑿痕を筋目正しく現はしたもので、運刀の冴え切つた技巧が窺はれる。この像は藤原時代初期の作で、わが彫刻史上造像法の硏究に有益な資料である。

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