宝積寺三重塔

寶積寺三重塔婆[國寶]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

天王山の中腹にあります。この寺は寺伝に聖武天皇の勅願で、僧行基の開基としていますが、塔の建立年代は明らかでありません。方三間三重の塔で鉄製の相輪を戴き、形態は荘重にして均衡美しく、その手法は桃山時代の特色を示しています。塔の前に安土桃山時代の天正12年(1584年)在銘の石灯籠が一対立っていますが、この塔も恐らくその頃にできたものと思われます。

宝積寺には国宝の板絵神像4枚を所蔵しています。各表面に神像を彩絵し、裏に神号、願主の名および鎌倉時代の弘安9年(1286年)4月の年月を墨書しています。その作は絵画として優秀なことと、かつその製作年代の確かな点において注目に値します。なお次の像は京都博物館に出陳中です。

  • 倶生神坐像[国宝] 木造 一体
  • 闇黒童子坐像[国宝] 木造 一体
※底本:『日本案内記 近畿篇 上(初版)』昭和7年(1932年)発行

令和に見に行くなら

名称
宝積寺三重塔
かな
ほうしゃくじさんじゅうのとう
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
京都府乙訓郡大山崎町大山崎銭原5
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

天王山の中腹にある。當寺は寺傳に聖武天皇の敕願で、僧行基の開基と稱して居るが、塔婆の建立年代は明かでない。方三閒三重の塔婆で鐵製の相輪を戴き、形態莊重にして權衡美はしく、その手法は桃山時代の特色を示して居る。塔の前に天正十二年在銘の石燈籠が一對立つて居るが、この塔婆も恐らくその頃に出來たものと思はれる。

寶積寺には國寶の板繪神像四枚を藏して居る。各表面に神像を彩繪し、裏に神號、願主の名及弘安九年四月の年月を墨書して居る。その作は繪畫として優秀なると、且つその製作年代の確な點に於て注意を値ひする。尙左記の像は京都博物館に出陳中である。

  • 倶生神坐像[國寶] 木造 一軀
  • 闇黑童子坐像[國寶] 木造 一軀

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