向日神社

向神社[府社]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

向日町駅の西南2km、京阪電車西向日町の西北1km、向日町向日にあります。俗に明神さんと呼ばれ、向日町の西、長丘の上にあり、延喜式内の古社です。棟札によれば本殿は室町時代の応永25年(1418年)の造営、同29年(1422年)の竣工で三間社流造、現在覆堂に入り、外部から見られませんが、屋根檜皮葺、本殿および向拝の蟇股の彫刻には雲竜、牡丹等の透彫があり、その手法は優雅です。垂木、桝組、虹梁等の木割手法等も、よく室町時代初期の特徴を示したもので国宝に指定されています。また所蔵する日本書紀神代記下巻一冊は、延喜四年勅月画日従五位上右少弁藤原朝臣清貫といった奥書のある古写本で国宝に指定されています。なお社殿の北に前方後円墳がありますが、古墳はここからさらに北西に続いた長岡丘陵に数十基あり、物集女には石室があるものあり、陶棺、石棺等も発見されました。

※底本:『日本案内記 近畿篇 上(初版)』昭和7年(1932年)発行

令和に見に行くなら

名称
向日神社
かな
むこうじんじゃ
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
京都府向日市向日町北山65
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

向日町驛の西南二粁、京阪電車西向日町の西北一粁、向日町向日にある。俗に明神さんと呼ばれ、向日町の西、長丘の上にあり、延喜式內の古社である。棟札によれば本殿は應永廿五年の造營、同廿九年の竣工で三閒社流造、今覆堂に入り、外部から見られないが、屋根檜皮葺、本殿及向拜の蟇股の彫刻には雲龍、牡丹等の透彫があり、その手法優雅である。垂木、桝組、虹梁等の木割手法等も、よく室町時代初期の特徵を示せるもので國寶に指定されて居る。また藏する所の日本書紀神代記下卷一册は、延喜四年敕月畫日從五位上右少辨藤原朝臣淸貫云々の奧書ある古寫本で國寶に指定されて居る。尙社殿の北に前方後圓墳があるが、古墳はこゝから更に北西方に續いた長岡丘陵に數十基あり、物集女には石室あるものあり、陶棺、石棺等も發見せられた。

向日・長岡京のみどころ