狩生鍾乳洞

狩生鍾乳洞[指定天然記念物]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

浅海井駅の西南約4km、西上浦村狩生狸穴にあります。古生層の石灰岩中に生じた石灰洞で、洞の形は東北から西南に走る二条の断層とこれに直交して西北から東南に走る五条の断層に沿って流れた地下水の作用によって生じたことを示しています。山の中腹と頂上に開口し、一方から入って他方に出ることができます。この洞は昭和7年(1932年)の発見になり、洞内沈澱物は今もよく保存され、発見当時洞窟の最低部からオオカミの完全な遺骨を採集しました。獣骨を石灰洞中から発見することは日本で稀です。

※底本:『日本案内記 九州篇(六版)』昭和13年(1938年)発行

令和に見に行くなら

名称
狩生鍾乳洞
かな
かりうしょうにゅうどう
種別
見所・観光
状態
現存するが非公開
備考
整備されていないため一般には入れません。

日本案内記原文

淺海井驛の西南約四粁、西上浦村狩生狸穴にある。古生層の石灰岩中に生じたる石灰洞にして、洞の形は東北より西南に走る二條の斷層とこれに直交して西北より東南に走る五條の斷層に沿うて流れた地下水の作用によつて生じたことを示して居る。山の中腹と頂上に開口し、一方より入つて他方に出るを得。本洞は昭和七年の發見にかゝり、洞內沈澱物は尙よく保存され、發見當時洞窟の最低部より、狼族の完全な遺骨を採集した、獸骨を石灰洞中より發見することは本邦稀である。

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