高原山

高原山
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

那須野の西に位置する高原山は、火山性の優美な裾野を広げ、西は日光連山と向かい合い、その間に鬼怒川渓谷を抱えています。北は日留賀岳、男鹿岳を経て那須岳に連なる山脈で、東側の山麓には塩原温泉郷があります。

登山ルートは塩原温泉方面と川治温泉方面の二つがあります。塩原方面の登山口は新湯温泉からスタートします。

新湯温泉から西に向かい、樹林帯を約4km登ると高原嶺に到達します。そこから右に曲がり、熊笹や落葉松、ツガの美しい林を抜ける約3kmの道を進むと山頂に到着します。山頂は鶏頂山と釈迦ヶ岳の二つの小さな峰に分かれています。山頂からは東南方向に関東平野が広がり、筑波山や加波山が浮かぶように見えます。また、西から南にかけて鬼怒川渓谷を隔て、間近に日光連山の赤薙山を望めます。西北方向には明神岳、荒海山、その奥には栗山郷の山々が重なり、北には那須岳の雄大な景色を楽しむことができます。

山頂から西に約7.5km下ると鬼怒川渓谷の川治温泉に出られます。また、途中で左折すれば会津街道を経て鬼怒川温泉へも行くことが可能です。この塩原、川治、鬼怒川温泉をつなぐ高原山越えは特に紅葉の季節に魅力的で、気軽に楽しめる山旅を提供します。

新湯温泉周辺は冬季に約1.5mの積雪があり、高原山一帯にはスキーに適した斜面が点在しています。現在はスキー場としての整備は進んでいませんが、塩原温泉を拠点とした将来性のあるスポットです。

※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行

令和に見に行くなら

名称
高原山
かな
たかはらやま
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
栃木県那須塩原市、日光市
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

那須野の西に火山性の優美な裾野を流して、西は日光諸山と相對し、その間に鬼怒溪谷を抱き、北は日留賀岳、男鹿岳を經て那須岳へ山嶺を連ねて、東山麓には鹽原溫泉郷を抱いて居る。

登山には鹽原溫泉からと、川治溫泉からの二方面がある。鹽原方面からの登山口は新湯である。

新湯から西へ喬木帶を約四粁登ると高原嶺に出る。高原嶺から右へ折れて約三粁、熊笹と落葉松や栂の美林の山徑を辿ると山頂に達する。山頂は鷄頂山と釋迦ヶ岳の小さな二つの峯に分れて居る。山頂からは東南は關東平野が開け、その中に筑波山、加波山が半島の樣に浮び、西から南へは鬼怒溪谷を隔てゝ間近に日光赤薙山を望み、西北には明神岳、荒海山などを望んでその奥に栗山郷の山々が重疊と連なり、北には那須岳が眺められる。

山頂から道を西にとり約七粁半下れば、鬼怒溪谷の川治溫泉に出る。また途中左折して會津街道に出て鬼怒川溫泉へも下られる。この鹽原と川治、鬼怒川溫泉を連絡する高原山越は紅葉期に特に良く、樂な興味ある山旅が味はれる。

新湯溫泉附近は冬季一米半位の積雪があり、高原山一帶には好スロープがある。スキー場としては未だ開けて居ないが、鹽原溫泉を根據として將來ある處である。

塩原のみどころ