塩原温泉郷

鹽原溫泉
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

塩原温泉は、駅から西北約16kmから32kmの範囲に点在する大規模な温泉郷で、「西の箱根」とも並び称されています。箒川沿岸一帯の渓谷美や、春の野州花、秋の紅葉の景観は、都市部の人々を引き寄せる魅力を持っています。駅前から塩原口までは電車が利用でき、塩原口からは大網、福渡、塩釜、畑下、門前を経て古町までバスが運行しています。また、西那須野駅から古町まで直通の自動車もあります。

温泉地は、箒川沿いの大網、福渡、塩釜、畑下、門前、古町のほか、塩の湯、須巻、新湯、元湯を合わせて「塩原十湯」と呼ばれていましたが、近年新たに袖ヶ沢が加わり、現在は「塩原十一湯」となっています。温泉の泉質は、新湯が硫黄泉、その他は多くが塩類泉に属します。泉質に含まれる成分の違いにより効能も多少異なりますが、おおむねリウマチ、婦人病、胃腸病などに効果があると言われています。

新湯からは鶏頂山の麓を通り、川治温泉まで約14kmです。この道を利用する人も近年増えているようです。

また、元湯から川治温泉までは約14kmで、道は赤川に沿っており、約1時間で新湯からの道と合流します。

※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行
塩原温泉 畑下、門前付近

令和に見に行くなら

名称
塩原温泉郷
かな
しおばらおんせんきょう
種別
温泉
状態
現存し見学できる
住所
栃木県那須塩原市
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

驛から西北一六粁乃至三二粁の間に散在する大溫泉郷で、西の箱根と竝稱せられ、箒川沿岸一帶の溪谷美と、春の野州花、秋の紅葉の美觀は、都人士を牽きつける大きな力を有つて居る。驛前からは鹽原口まで電車の便があり、鹽原口からは大網、福渡戶、鹽釜、畑下戶、門前を經て古町まで自動車の便があるが、別に西那須野驛からも古町まで直通の自動車がある。

溫泉場は上記の大網、福渡戶、鹽釜、畑下戶、門前、古町の箒川沿ひの外、鹽の湯、須卷、新湯、元湯を合せて鹽原十湯と唱へて居たが、近年袖ケ澤が新に展けて十一湯となつて居る。溫泉は新湯は硫黃泉、その他は多く鹽類泉に屬し、含有物の多少によつてその効能にも幾分の違はあるが、凡そリウマチス、婦人病、胃腸病などに効くと云ふ。

新湯からは鷄頂山の麓を縫うて川治溫泉まで一四粁、近年この道を通る人が多くなつた樣である。

元湯からも川治溫泉までは約一四粁、道は赤川の流に沿うて約一時間で新湯からの道と合ふ。

塩原のみどころ