玉村八幡宮

玉村八幡宮[縣社]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

倉賀野駅の西約6km、玉村町にあり自動車の便があります。誉田別命および気長足姫命を祀ります。境内は広く鐘楼の跡および西隣には神楽寺があって両部神道の面影を残しています。社殿は拝殿、幣殿および本殿を備えた権現造で、江戸時代前期の慶長15年(1610年)に徳川氏が代官に再建させたものです。拝殿は三間三面の入母屋造で、正面に千鳥破風および唐破風をもち、唐破風内には雲竜、流水、鳳凰などを彫刻して極彩色を施しています。本殿は三間三面の流造で種、虹梁、頭貫などはすべて朱塗で、蟇股はその形が非常に優美で、内部に島獣花卉の透彫を加え極彩色を施し、桝組は和様出三斗を用いて繧繝彩色を施し、内外の構造様式および装飾など、桃山式の華麗さと室町時代の優雅な形式を残し、現在国宝に指定されています。

※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行

令和に見に行くなら

名称
玉村八幡宮
かな
たまむらはちまんぐう
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
群馬県佐波郡玉村町下新田1
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

倉賀野驛の西約六粁、玉村町にあり自動車の便がある。譽田別命及氣長足姬命を祀る。境內廣く鐘樓の址及西鄰には神樂寺ありて兩部神道の面影を殘して居る。社殿は拜殿幣殿及本殿を具備した權現造で、慶長十五年に德川氏が代官をして再建せしめたものである。拜殿は三閒三面の入母屋造で、正面に千鳥破風及唐破風を有し、唐破風內には雲龍、流水、鳳凰などを彫刻して極彩色を施して居る。本殿は三閒三面の流造で種、虹梁、頭貫などはすべて朱塗となし、蟇股はその形頗る優美にして、內部に島獸花卉の透彫を加へ極彩色を施し、桝組は和樣出三斗を用ゐ繧繝彩色を施し、內外の構造樣式及裝飾など、桃山式の華麗と室町時代の優雅な形式を存し、今國寶に指定されて居る。

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