金鑚神社

金鑚神社[官幣中社]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

本庄駅の西南約13km、青柳村二宮、御室岳の麓にあります。児玉町まで本庄軌道、そこから自動車の便があります。延喜式内の古社で社殿は拝殿と幣殿とがあるのみで本殿はなく、御室岳がすなわち神殿で、幣殿の後方にあたる一区域が神体林と称されています。1月3日の福迎神事および4月15日の例祭には神代神楽の奉奏があり、参詣人多く大いに賑わうといいます。境内の参道の西側に朱塗の二層塔婆があります。もとこの社の別当一乗院に属したもので、塔の心の柱に「天文三年午八月晦日大檀那阿保弾正金隆本願」と墨書されています。その様式は多宝塔で、下層は方三間、四方に入口があり唐戸を立てています。上層には円胴があり、その手法様式はよく室町末期の特徴を残し国宝に指定されています。

※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行

令和に見に行くなら

名称
金鑚神社
かな
かなさなじんじゃ
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
埼玉県児玉郡神川町字二ノ宮750
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

驛の西南約一三粁、靑柳村二宮、御室嶽の麓にある。兒玉町まで本庄軌道、それより自動車の便がある。延喜式內の古社で社殿は拜殿と幣殿とあるのみで本殿はなく、御室嶽が卽ち神殿で、幣殿の後方に當る一區域が神體林と稱されて居る。一月三日の福迎神事及四月十五日の例祭には神代神樂の奉奏があり、參詣人多く大に賑ふと云ふ。境內の參道の西側に朱塗の二層塔婆がある。もと當社の別當一乘院に屬したもので、塔の心の柱に「天文三年午八月晦日大檀那阿保彈正金隆本願」と墨書されて居る。その樣式は多寶塔で、下層は方三閒、四方に入口があり唐戶を立てゝ居る。上層には圓胴があり、その手法樣式よく室町末期の特徵を存し國寶に指定されて居る。

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