北海道帝国大学

北海道帝國大學
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

札幌駅の北0.5km、市内北九条西六丁目にあり、市電大学正門前下車。農、医工、理学部、予科、農、林学実科、土木、水産専門部に分かれ、敷地は広々とし、校庭では老樹が枝を交え、教室や講堂がその間に立ち、牧草があたかも青い敷物を広げたように続き、池の水鳥、飼育舎の牛豚、附属農場等、田園の雰囲気に溢れています。

明治8年(1875年)東京芝山内の開拓使仮学校を札幌学校と改称してここに移したことに始まり、同9年(1876年)札幌農学校と改め、同40年(1907年)東北帝国大学農科大学となり、さらに大正7年(1918年)北海道帝国大学が設置され、同8年(1919年)農科大学の名称を廃して農学部となり、同時に新たに医学部が置かれました。その後同11年(1922年)工学部を、昭和5年(1930年)理学部を置いて、総合大学の内容に至りました。なおここでは農学部に植物園、博物館、家畜病院、農場および演習林を、医学部に医院を、理学部に臨海実験所、海藻研究所を附属しています。これらのほかに図書館、寄宿舎があります。

※底本:『日本案内記 北海道篇(五版)』昭和11年(1936年)発行

令和に見に行くなら

名称
北海道帝国大学
かな
ほっかいどうていこくだいがく
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
備考
現在の北海道大学です。
住所
北海道札幌市北区北8条西5
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

札幌驛の北半粁、市內北九條西六丁目にあり、市電大學正門前下車。農、醫工、理學部、豫科、農、林學實科、土木、水產專門部に分れ、地域廣濶、校庭老樹枝を交へ、敎室講堂その閒に屹立し、滿地の牧草恰も靑氈を布けるが如く、池塘の水禽、列舍の牛豚、附屬農場等、田園の氣趣橫溢して居る。

明治八年東京芝山內の開拓使假學校を札幌學校と改稱してこゝに移したのに濫觴し、同九年札幌農學校と改め、同四十年東北帝國大學農科大學となり、更に大正七年北海道帝國大學設置せられ、同八年農科大學の稱を廢して農學部となり、同時に新に醫學部を置かれたその後同十一年工學部を、昭和五年理學部を置かれ、綜合大學の實を見るに至つた。尙本學には農學部に植物園、博物館、家畜病院、農場及演習林を、醫學部に醫院を、理學部に臨海實驗所、海藻硏究所を附屬せしめてある。これ等の外に圖書館、寄宿舍がある。

札幌のみどころ