釜石鉱山製錬場

釜石鑛山製鍊場
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

町の南部鈴子にあり、鉄鉱は石灰石と配合され、コークスとともに捲揚機で熔鉱炉に投入され、一方では熱風をここに送り込みます。こうして熔鉱炉の下部から流出する銑鉄はあるいは市場に出しあるいは製鋼の材料に供されます。熔鉱炉中で第八熔鉱炉が最も大きく、一昼夜の出銑能力200kgにおよびます。製錬場には付帯事業として、製鋼および副産物製造を行っています。製鋼のためには塩基性シーメンス、マルチン式25kg炉を備え、副産物は鉱滓煉瓦および硫酸アンモニアです。製品産額銑鉄約4万kg、価額200万円、鋼約5万kg、価額約390万円。

※底本:『日本案内記 東北篇(初版)』昭和4年(1929年)発行

令和に見に行くなら

名称
釜石鉱山製錬場
かな
かまいしこうざんせいれんじょう
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
備考
現在はその後身である日本製鉄の製鉄所となっています。
住所
岩手県釜石市鈴子町23-15
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

町の南部鈴子にあり、鐵鑛は石灰石と配合され、コークスと共に捲揚機で熔鑛爐に投入せられ、一方では熱風をこゝに送り込む。かくて熔鑛爐の下部から流出する銑鐵は或は市場に出し或は製鋼の材料に供せられる。熔鑛爐中で第八熔鑛爐が最も大きく、一晝夜の出銑能力二〇〇瓩に及ぶ。製鍊場には附帶事業として、製鋼及副產物製造を行つて居る。製鋼のためには鹽基性シーメンス、マルチン式二五瓩爐を備へ、副產物は鑛滓煉瓦及硫酸アンモニアである。製品產額銑鐵約四萬瓩、價額二百萬圓、鋼約五萬瓩、價額約三百九十萬圓。

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