八釜の甌穴群

八釜の甌穴群
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

面河川の支流黒川の河床となる堅硬なフリント質角岩の上に、大小30個あまりの甌穴があります。甌穴群はおおよそ四群に分かれ、第1群は川の左岸に沿って8個一列となり、深い溝によって相連続し、各穴間に小瀑が懸かり、甌穴はその瀑壺で、八釜の名はそれに起因します。第2群は河床の中央にあって5個相連なり、第3群はその右にあって7個相連なり、第4群は最も右岸に近く3個相連なります。その他孤立した数個の甌穴があり、甌穴の最も大きなものは、横径9~12m深さ約12mです。このような多数の甌穴が相密接して群をなしているのは極めて稀に見るところです。

※底本:『日本案内記 中国・四国篇(初版)』昭和9年(1934年)発行

令和に見に行くなら

名称
八釜の甌穴群
かな
やかまのおうけつぐん
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
愛媛県上浮穴郡久万高原町柳井川
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

面河川の支流黑川の河床をなせる堅硬なるフリント質角岩の上に、大小三十餘箇の甌穴がある。甌穴群は大凡四群に分つべく、第一群は川の左岸に沿うて八箇一列をなし、深き溝によりて相連續し、各穴閒に小瀑を懸く、甌穴はその瀑壺で、八釜の名はそれに起因する。第二群は河床の中央にありて五箇相連り、第三群はその右にありて七箇相連り、第四群は最も右岸に近く三箇相連なる。その他孤立せる數箇の甌穴あり、甌穴の最も大なるものは、橫徑九乃至一二米深さ約一二米である。かく多數の甌穴が相密接して群をなせるは極めて稀に見る所である。

久万高原のみどころ