新田神社

新田神社(新田八幡宮)[國幣中社]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

上川内駅の南1km、薩摩郡川内町宮内可愛山頂にあります。祭神は邇々杵命で、天照大神および天忍穂耳命を配祀しています。古くから可愛山御陵の前面に鎮座し、奈良時代の神亀2年(725年)の創立と伝え、平安時代の貞観中(859~877年)再興したといいますが、承安3年(1173年)には現在の石段の中腹のあたりにあったものが罹災したので、安元2年(1176年)山頂に遷りました。安土桃山時代の慶長7年(1602年)島津忠恒が社殿を改築し、江戸時代末期の嘉永3年(1850年)には島津斉興が拝殿、勅使殿を除いた社殿の造営を行いました。社宝に古鏡70面あまりを所蔵し、このうちで鎌倉時代の永仁2年(1294年)3月18日、庄左衛門尉友俊施入之の刻銘がある牡丹双鳳鏡は国宝に指定されています。例祭は9月15日。

※底本:『日本案内記 九州篇(六版)』昭和13年(1938年)発行

令和に見に行くなら

名称
新田神社
かな
にったじんじゃ
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
鹿児島県薩摩川内市宮内町1935-2
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

上川內驛の南一粁、薩摩郡川內町宮內可愛山頂にある。祭神邇々杵命で、天照大神及天忍穗耳命を配祀して居る。古くより可愛山御陵の前面に鎭座し、神龜二年の創立と傳へ、貞觀中再興したと云ふが、承安三年には今の石段の中腹の邊にあつたのが罹災したので、安元二年山頂に遷つた。慶長七年島津忠恆社殿を改築し、嘉永三年島津齊興の拜殿、敕使殿を除いた社殿の造營があつた。社寶に古鏡七十餘面を藏し、このうちで永仁二年三月十八日、庄左衞門尉友俊施入之の刻銘がある牡丹雙鳳鏡は國寶に指定されて居る。例祭九月十五日。

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