三池港

三池港
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

大牟田市新港町から南約4km、万田駅の西北約1.2km。三井鉱山の築設となり、明治35年(1902年)11月起工、明治41年(1908年)4月開港。ドック、内港、航路、外港の諸部に分かれています。ドックは面積13万5千m²、内港との間に幅20mの閘門があり、その作用によってドックの水深は常に8.5m以上です。ドック東岸は長さ421mの繋船壁にして、1万トン級までの船舶3隻を同時に横付し、主として三池炭荷役の用にあてています。壁上には三池式積込機3台を備え、岸壁に沿って左右に移動し、1台1昼夜積込量約5,000kgです。ドックの南側に長さ91mの鉄製桟橋があり、普通貨物の荷役に使用されます。

内港は面積50万m²、最大干潮時水深9.4~10.6m以上、石炭運送船その他一般船舶の碇泊地です。東岸には長さ91mの繋船壁および石炭積込機1台を設置し、ドックに出入できない大型船の荷役に用います。

内港に達する航路は長さ約1.8km、両導堤間隔137m、水深7.3m以上。北側導堤上に灯台があります。外港はこの灯台を中心として3kmの半径を有する円圏の一弧内の水面で、水深10~15m、直に深海部に通じています。

※底本:『日本案内記 九州篇(六版)』昭和13年(1938年)発行

令和に見に行くなら

名称
三池港
かな
みいけこう
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
福岡県大牟田市新港町
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

大牟田市新港町から南約四粁、萬田驛の西北約一粁二。三井鑛山會社の築設にかゝり、明治三十五年十一月起工、明治四十一年四月開港。船渠、內港、航路、外港の諸部に分れて居る。船渠は面積一三五千方米、內港との閒に幅二〇米の閘門あり、その作用によつて渠內の水深は常に八米半以上である。船渠東岸は長さ四二一米の繋船壁にして、一萬噸級までの船舶三隻を同時に橫付し、主として三池炭荷役の用に充てる。壁上には三池式積込機三臺を備へ、岸壁に沿うて左右に移動し、一臺一晝夜積込量約五千瓩である。船渠の南側に長さ九一米の鐵製棧橋があり、普通貨物の荷役に使用される。

內港は面積五〇萬方米、最大干潮時水深九米四乃至一〇米六以上、石炭運送船その他一般船舶の碇泊地である。東岸には長さ九一米の繋船壁及石炭積込機一臺を設置し、船渠に出入不能の大型船の荷役に用ゐる。

內港に達する航路は長さ約一粁八、兩導堤閒隔一三七米、水深七米三以上。北側導堤上に燈臺がある。外港はこの燈臺を中心として三粁の半徑を有する圓圈の一弧內の水面にして、水深一〇米乃至一五米、直に深海部に通じて居る。

大牟田のみどころ