嬉野温泉

嬉野溫泉
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

武雄駅の南約13km、大村線の彼杵駅からは東北約12kmに位置し、どちらからもバスでアクセスできます。四方を山に囲まれた盆地で、嬉野川の清流に沿ってゴシック様式の浴場があります。少し離れた場所には、新湯や元湯と呼ばれる浴場もあります。温泉は塩分を含むアルカリ性炭酸泉であり、リウマチや神経痛、婦人病、皮膚病に効果があるとされています。また、飲用することで胃腸病や貧血、咽喉炎などにも効能があると言われています。

遊興の雰囲気が色濃い温泉地で、橘南谿がその西遊記において「隣家の三味線の音を聞いて望郷の念に悩まされた」と記述していることからも、昔から湯街の風情が知られていたことがうかがえます。近隣には嬉野茶の産地があり、木の芽が香る5月には茶摘み歌が響き、茶所温泉ならではの趣深い光景が見られます。旅館は「和多屋」、「大村屋」、「吉田屋」、「笹屋」、「亀屋」、「鶴屋」など十数軒あります。

※底本:『日本案内記 九州篇(六版)』昭和13年(1938年)発行

令和に見に行くなら

名称
嬉野温泉
かな
うれしのおんせん
種別
温泉
状態
現存し見学できる
住所
佐賀県嬉野市嬉野町
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

武雄驛の南一三粁餘、大村線彼杵驛からは東北一二粁、共に自動車の便がある。四周山を繞らした盆地で、嬉野川の清流に沿うてゴシック式の浴館あり。稍離れて新湯、元湯の浴場もある。溫泉は食鹽含有アルカリ性炭酸泉で、リウマチス、神經痛、婦人病、皮膚病、飮用すれば胃腸病、貧血、咽喉カタルなどに効くと云ふ。

遊樂的氣分の濃い溫泉場で、橘南谿がその西遊記に隣家の三味の音を聞いて望郷の念に惱まされたことを書いて居るのを見ると、こゝの湯街情調は昔からのことゝ思はれる。附近はまた嬉野茶の產地で、木の芽香る五月には茶摘唄の聲も流れて茶所溫泉のゆかしさを見せる。旅館 和多屋、大村屋、吉田屋、笹屋、龜屋、鶴屋外十數軒。

武雄・嬉野のみどころ