獨鈷山西明寺

西明寺[新義眞言宗豐山派]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

益子駅の東南約3km、益子町高館山の中腹にあり、その寺域は盆子出雲守紀実正が拠点とした城跡です。本堂は五間五面四注造茅葺、江戸時代の建築ですが、その三門は室町時代の天文元年(1532年)の建立で、国宝に指定されています。三間一戸四注造茅葺の楼門で桝組は唐様三手先、蟇股の形状は珍しいもので、左右花形のひれが高く巻き上り内部に透彫があります。構造手法および細部の絵様彫刻など室町時代の特徴を残しています。楼門の横に三重塔があります。天文元年の建築でこれも国宝に指定されています。各層方三間、桝組はいずれも和様三手先、尾棰を加えています。屋根は杮葺であったのを現在竪板葺に仮に修補したため、軽快な趣味を損なっています。

※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行

令和に見に行くなら

名称
獨鈷山西明寺
かな
とっこさんさいみょうじ
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
栃木県芳賀郡益子町益子4469
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

益子驛の東南約三粁、益子町高館山の中腹にあり、その寺域は盆子出雲守紀實正のよつた城址である。本堂は五閒五面四注造茅葺、江戶時代の建築であるが、その三門は天文元年の建立で、國寶に指定されて居る。三閒一戶四注造茅葺の樓門で桝組は唐樣三手先、蟇股は形狀珍奇にして、左右花形のひれが高く卷き上り內部に透彫がある。構造手法及び細部の繪樣彫刻など室町時代の特徵を存して居る。樓門の橫に三重塔婆がある。天文元年の建築でこれも國寶に指定されて居る。各層方三閒、桝組は何れも和樣三手先、尾棰を加へて居る。屋根は杮葺であつたのを現在竪板葺に假に修補したため、輕快な趣味を害して居る。

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