那須硫黄鉱山
那須硫黃鑛山
昭和初期のガイド文
那須硫黄鉱山は輝石安山岩で構成されており、火山灰、砂、礫、溶岩などが堆積したエリアにあります。この場所には「大噴」「大穴」「無間」「牛ケ首」といった爆裂火口があり、そこから硫黄ガスが噴出しています。硫黄の採取方法は以下の通りです。まず、噴出する硫黄ガスを煙道に導き、液状の硫黄にした後、固体化します。この硫黄を「火口硫黄」と呼びます。さらに、煙道上の土砂中に生成した硫黄鉱石を採取し、加熱して気化させた後、導管を通して沈殿室に送ることで液体化し、最終的に固体化する方法もあります。この方法で得られる硫黄を「製錬硫黄」と呼びます。
採取された硫黄は主に群馬県岩鼻の火薬製造工場に送られており、年間の生産量は約1,000トンに達しています。
※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 那須硫黄鉱山
- かな
- なすいおうこうざん
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存しない
- 備考
- 閉山となっています。
日本案内記原文
輝石安山岩より成り、火山灰、砂、礫、熔岩などの堆積する間に大噴、大穴、無間、牛ケ首などの爆裂火口から硫氣を噴出して居る。硫黄の採取には噴出する硫氣を築造せる煙道内に導き、先づ液狀の硫黃となし、次に凝固せしめる。この硫黃を火口硫黃と稱する。また煙道上の土砂中に生成する硫黃の鑛石を採取し、硫黃燒取釜に投入し、攝氏四四六度に加熱し、これを氣化せしめ、導管によりて沈澱室に導き液體となし、その硫出するものを固結せしめる。これを製鍊硫黃と云ふ。共に主として群馬縣岩鼻の火藥製造工廠へ送る。年產硫黃一千瓲。