那須温泉郷

那須溫泉

昭和初期のガイド文

那須岳の東南麓に広がる温泉郷は、「もののふの矢なみつくらふこてのうへに霰たばしる那須の篠原」と源実朝が詠んだ那須の広大な原野の一角に位置しています。古くから湯本、北、弁天、大丸、三斗小屋、高雄、板室の「那須七湯」として親しまれてきましたが、近年、新たに八幡、旭、新那須、飯盛などが加わり、特に那須御用邸の設立以降、その魅力が一層際立っています。那須岳の噴煙や那須野ヶ原の壮大な景観に加え、九尾の狐にまつわる伝説で知られる殺生石や、那須与一に縁深い温泉神社もあり、春のツツジや秋の紅葉など、四季折々の美しい景観を楽しむことができます。温泉での入浴、景観の鑑賞、登山など、多くの楽しみがそろい、旅行者を惹きつけています。黒磯駅からは新那須を経由して湯本まで、または別ルートで板室まで、自動車でのアクセスが可能です。それ以外の温泉地へは湯本から徒歩で向かうことができます。

※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行

令和に見に行くなら

名称
那須温泉郷
かな
なすおんせんきょう
種別
温泉
状態
現存し見学できる
住所
栃木県那須郡那須町
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

那須岳の東南麓「ものゝふの矢なみつくらふこてのうへに霰たばしる那須の篠原」と源實朝の歌によつて名高き那須の曠野の極まる處にある溫泉郷。湯本、北、辨天、大丸、三斗小屋、高雄股、板室を古來那須七湯と云つて居たが、近年、八幡、旭、新那須、飯盛など新に展け、特に那須御用郎が設けられてから一層面目を改めた樣である。那須岳の噴烟、那須野の展望に加へて、九尾の狐に絡る傳說を有する殺生石もあり、那須與一に因緣深き溫泉神社もあり、春のつゝじ、秋の紅葉の美觀もあり、浴泉、觀賞、登山、旅行者の心を牽くべき多くの力を有つて居る。黑磯驛からは今新那須を經て湯本までと、別路板室までは自動車の便あり、その他は湯本から徒歩によるのである。

那須のみどころ