浅間神社

淺閒神社[國幣小社]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

静岡駅の西北約2km、自動車の便があり、市内賤機山の麓の景勝の地にあります。古来駿河国の総社として名高く、富士新宮または浅間新宮とも呼ばれ木花咲耶姫命を祀ります。社殿は江戸時代末期の再建となり、楼門、廻廊、舞殿、拝殿および本殿からなり、規模は非常に雄大で賤機山の老樹もあり壮観です。拝殿は七間四面切妻造銅瓦葺、前面に千鳥破風があり中央に高楼をもつ、いわゆる浅間神社造で内外朱塗の大建築です。左右妻虹梁の上下には、天人、雲、牡丹などの彫刻が施され極彩色の跡が残っています。

毎年4月5日には二十日会祭を執行し、舞楽殿で稚児が還城楽、太平楽、納蘇利などの舞楽を演じ大いに賑わうといいます。

  • 宝物
  • 廻廊内に陳列されていますが、その主なものを次に列挙します。
  • 鈴鏡残欠 一個 江戸時代中期の宝永年間(1704~1711年)に賤機山上の古墳から発掘されたものです。
  • 糸巻太刀[国宝]一口 初代長光作 東京遊就館出陳
  • 宝永三年山田長政奉納戦艦図額模写図 一枚
  • 象の図 一幅 清人江芝閣筆 オランダ文の賛があります。
  • 神輿 一台
  • 歌仙図 十六枚 狩野守信筆 宝永十一年徳川家光奉納

八千戈神社 浅間神社の摂社で、その南隣にあり、もと徳川家康の信仰した摩利支天を安置したところで、江戸時代末期の再建で三間三面入母屋造、銅瓦葺です。

※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行
静岡浅間神社舞楽童子

令和に見に行くなら

名称
浅間神社
かな
せんげんじんじゃ
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
静岡県静岡市葵区宮ヶ崎町102-1
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

驛の西北約二粁、自動車の便があり、市內賤機山の麓景勝の地にある。古來駿河國の總社として名高く、富士新宮または淺閒新宮とも稱し木花咲耶姬命を祀る。社殿は江戶時代末期の再建にかゝり、樓門、廻廊、舞殿、拜殿及本殿より成り、規模頗る雄大にして賤機山の老樹を控へ一大偉觀を呈して居る。拜殿は七閒四面切妻造銅瓦葺、前面に千鳥破風を附し、中央に高樓を有する所謂淺閒神社造で內外朱塗の大建築である。左右妻虹梁の上下には、天人、雲、牡丹などの彫刻を填充し極彩色のあとが殘つて居る。

每年四月五日には二十日會祭を執行し、舞樂殿に於て稚兒が還城樂、太平樂、納蘇利などの舞樂を演じ大に賑ふと云ふ。

  • 寶物
  • 廻廊內に陳列されて居るが、その主なるものを次に列擧する。
  • 鈴鏡殘缺 一個 寶永年閒賤機山上の古墳より發掘
  • 絲卷太刀[國寶]一口 初代長光作 東京遊就館出陳
  • 寶永三年山田長政奉納戰艦圖額模寫圖 一枚
  • 象の圖 一幅 淸人江芝閣筆 オランダ文の贊あり
  • 神輿 一臺
  • 歌仙圖 十六枚 狩野守信筆 寶永十一年德川家光奉納

八千戈神社 淺閒神社の攝社で、その南鄰にあり、もと德川家康の信仰した摩利支天を安置した所で、江戶時代末期の再建にして三閒三面入母屋造、銅瓦葺である。

静岡のみどころ