安国寺
安國寺[臨濟宗妙心寺派]
昭和初期のガイド文
鞆鉄道鞆駅の西南約0.5km、鞆町後地にあります。室町時代の暦応2年(1339年)愚谷和尚が足利尊氏の命によって創建したところで、安土桃山時代の天正(1573~1592年)の初め頃に荒廃しましたが、恵瓊長老が南禅寺から来て住み、毛利輝元を大壇越として再営しました。
釈迦堂(大雄寳殿)[国宝] 桁行三間、梁間三間、単層、屋根入母屋造、本瓦葺で寺伝で天正7年(1579年)恵瓊の再興といいますが、その手法はむしろ室町時代に属しています。現在軒廻は非常に廃頽していますが、主要部に当初の雄勁な唐様手法を伝えた当代禅刹仏殿の好標本です。
※底本:『日本案内記 中国・四国篇(初版)』昭和9年(1934年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 安国寺
- かな
- あんこくじ
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 広島県福山市鞆町990-1
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
鞆鐵道鞆驛の西南約半粁、鞆町後地にある。曆應二年愚谷和尙足利尊氏の命によりて創建する所で、天正の初荒廢したが、惠瓊長老南禪寺より來り寓し、毛利輝元を大壇越として再營した。
釋迦堂(大雄寳殿)[國寶] 桁行三閒、梁閒三閒、單層、屋根入母屋造、本瓦葺で寺傳天正七年惠瓊の再興と云ふが、その手法はむしろ室町時代に屬して居る。現今軒廻頗る廢頽して居るが、主要部に當初の雄勁な唐樣手法を傳へた當代禪刹佛殿の好標本である。