三里ヶ原(朝霧高原)
三里ケ原
昭和初期のガイド文
富士山の西麓にある裾野で、東西南北各々約8km、南は人穴から北は根原に至り、その間は熔岩の大岩盤からなり、砂礫はなく樹木も少なく、カヤが一面を覆っている原野です。野生の植物にはカヤのほかにオバナ、オミナエシ、ニンドウ、ミソハギ、ツリフネソウ、ヘビノネゴザ、ヤブカンゾウなどがあります。地形の起伏が少ないので裾野が広々と見渡せ、富士の美容を仰ぐことができます。水がないので人家ができず自然のままに委ねられています。
※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 三里ヶ原(朝霧高原)
- かな
- さんりがはら(あさぎりこうげん)
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 状態違うが見学可
- 備考
- 現在朝霧高原と呼ばれるエリアです。戦後開拓が進みました。
- 住所
- 静岡県富士宮市
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
富士山の西麓にある裾野で、東西南北各々約八粁、南は人穴より北は根原に至る、その閒熔岩の大岩盤より成り、砂礫なく樹木少く、茅の一面に掩ふ原野である。野生の植物には茅の外に尾花、をみなへし、にんどう、みそはぎ、つりふねさう、へびのねござ、やぶかんざうなどがある。地形の起伏が少いので裾野が廣々と見渡され、富士の美容が仰がれる。水のなきため人家が出來ず自然のまゝに委ねられて居る。