安達ヶ原の黒塚
安達原黑塚
昭和初期のガイド文
二本松駅の東約3km、安達郡大平村にあり、自動車の便があります。阿武隈川の東岸路傍杉の大木の下に木柵をめぐらした丸塚があり、これが安達ヶ原の黒塚として伝えられているもので、平兼盛が「みちのくの安達が原の黒塚に鬼こもれりというはまことか」と詠んだ歌によって謡曲の安達原が脚色され、さらに歌舞伎の安達ヶ原が作られて有名になりました。黒塚の東に観世寺があり、境内白真弓観音堂の横手に巨岩が重なって巌窟のようになったところがあります。この窟は鬼女の住んだところと伝えられています。
※底本:『日本案内記 東北篇(初版)』昭和4年(1929年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 安達ヶ原の黒塚
- かな
- あだちがはらのくろづか
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 福島県二本松市安達ヶ原4
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
驛の東方約三粁、安達郡大平村にあり、自動車の便がある。阿武隈川の東岸路傍杉の大木の下に木柵をめぐらした丸塚があり、これが安達原黑塚として傳へられて居るもので、平兼盛が「みちのくの安達が原の黑塚に鬼こもれりと云ふはまことか」と詠んだ歌によつて謠曲の安達原が脚色され、更に歌舞伎の安達原が作られて有名になつた。黑塚の東に觀世寺があり、境內白眞弓觀音堂の橫手に巨岩の重なつて巖窟の如くなつた處がある。この窟は鬼女の住んだ所と傳へられて居る。