法輪寺

法輪寺

昭和初期のガイド文

[真言宗東寺派] 法隆寺駅の北約3キロメートル、法隆寺東院の北約1キロメートルの富郷村三井にあります。このお寺は「三井寺」や「法琳寺」とも呼ばれています。推古天皇(飛鳥時代、593年~628年)の時代に創建されたとされ、当時に建てられた三重塔を今も残しています。塔は三間四方の本瓦葺きで、飛鳥時代の建築様式を伝えていますが、江戸時代に大きな損傷を受け、三重目が失われたため修復されています。

金堂の本尊である薬師如来坐像は木造で高さ約1.15メートルあり、推古時代の止利式の作品で国宝に指定されています。

講堂本尊の十一面観音立像[国宝]は一木彫りで高さ約3.6メートルあり、平安時代の大作として知られています。

その他にも、木造の聖観音立像、吉祥天立像、地蔵菩薩立像があり、いずれも平安時代の作品で国宝に指定されています。また、推古時代の貴重な遺物として瓦製の鴟尾も収蔵されています。

※底本:『日本案内記 近畿篇 下(初版)』昭和8年(1933年)発行

令和に見に行くなら

名称
法輪寺
かな
ほうりんじ
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
奈良県生駒郡斑鳩町三井1570
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

[眞言宗東寺派] 法隆寺驛の北約三粁、法隆寺東院の北約一粁、富郷村三井にあり、一に三井寺また法琳寺とも呼ばれて居る。推古天皇の御世の創建にかゝり現に當時建立された三重塔婆を遺して居る。三間四方、本瓦葺で飛鳥時代の樣式を傳へて居るが、江戶時代に大破して三重目を亡くしたので大修理が加へられて居る。

金堂本尊藥師如來坐像は木造高さ三尺八寸、推古時代止利式のもので國寶に指定されて居る。

講堂本尊十一面觀音立像[國寶]は一木彫高さ約十二尺、平安時代の大作である。

この外、木造聖觀音立像、木造吉祥天立像及木造地藏菩薩立像がある。何れも平安時代の作で國寶に指定されて居る。尙推古時代の遺物として珍らしい瓦製の鴟尾を藏して居る。